小説を読むのが辛い。積極的に読もうと思わないのだ。なにがどうということではないが。
エッセイやドキュメンタリーなららくに読むことができるが。
富士宏「午後の国物語」を集中的に読んでいる。マイナーなマンガだが私は大切にしてきた作品である。
このマンガのもつ、けだるさやそれでも失われない能動的なありかたは、私は引っ掛かり続けている。
2月の幻想文学講座はまもなく告知がでるかと
シュオブと鏡花がテーマ
2013年12月08日
2013年12月03日
ミドルトン作品集
陽気な幽霊たちと人間の物語「幽霊船」で知られる、幻想文学作家ミドルトンの作品集が間に合えば年内に西荻盛林堂から出版される。
あまり本を読まない私はミドルトンを読んだことすらなかった。作家名すら初耳である。
知らないのは強みだ。読むのを兼ねて同人誌「放浪児」に掲載された短編を全て打ち込んだ。
いやはや。忘れがたい作品が多いこと。
南條さんがこだわる理由はたしかにある。
今ミドルトンは容易に読めない作家になってしまった。盛林堂ミステリアス文庫での刊行がミドルトン再評価にささながらつながるとよいが。
なおミドルトン作品集は知人の仲介なくしては実現しなかった。この場であつくお礼申し上げる。
あまり本を読まない私はミドルトンを読んだことすらなかった。作家名すら初耳である。
知らないのは強みだ。読むのを兼ねて同人誌「放浪児」に掲載された短編を全て打ち込んだ。
いやはや。忘れがたい作品が多いこと。
南條さんがこだわる理由はたしかにある。
今ミドルトンは容易に読めない作家になってしまった。盛林堂ミステリアス文庫での刊行がミドルトン再評価にささながらつながるとよいが。
なおミドルトン作品集は知人の仲介なくしては実現しなかった。この場であつくお礼申し上げる。
横田順彌「ナイトスケッチ」
今月13日に西荻盛林堂から刊行される、横田順彌「ナイトスケッチ」は、横田氏の初期作品である。21編の「一千一秒物語」を思い出させる短編群は感傷的であり、またどこかでおいてきてしまったものをまたみつけたような心持ちにさせる。
巻末エッセイは、長山靖生さん、北原尚彦さん、私の三人が執筆。
もともと「ナイトスケッチ」は横田氏の三冠達成のお祝い本として企画されている。うちうちの企画本であり、一般刊行を前提としていない。ゆえに部数を絞った刊行となっている。
横田氏の著作目録もつきます。記番ともきいています。
確実に欲しい方は盛林堂さんのブログを確認のうえ、予約開始後に予約をおすすめします。この本は絶対に再販はないので。
巻末エッセイは、長山靖生さん、北原尚彦さん、私の三人が執筆。
もともと「ナイトスケッチ」は横田氏の三冠達成のお祝い本として企画されている。うちうちの企画本であり、一般刊行を前提としていない。ゆえに部数を絞った刊行となっている。
横田氏の著作目録もつきます。記番ともきいています。
確実に欲しい方は盛林堂さんのブログを確認のうえ、予約開始後に予約をおすすめします。この本は絶対に再販はないので。
シュオブ
昔、とあるところで櫻井さんに「シュオブから後ろはないんだよ、シュオブは幻想文学の終点、行き止まりなんだ」といわれた。
確かにシュオブの短編集を読むと、幻想文学と認識される小説のだいたいのパターンはでつくしている。恐怖と驚異を極として成立するのが幻想文学と書いたのは東雅夫さんだ。
ただシュオブは「幻想文学」の終点であって、「文学」の終点ではない。
幻想文学は昔佐藤弓生さんがどこかで書いていたように、広そうで狭い、そして深い世界であり、かつジャンル小説のようでジャンルとしてまとめられない。
だけど、盛林堂からでたシュオブ「吸血鬼」を読むと確かに幻想文学というジャンルはあると体感できるから不思議だ。
シュオブが「モネルの書」で書いているように、瞬間を描き流転する世界そのものを描こうとする心構えの有り無しが私の幻想文学としての基準となる
確かにシュオブの短編集を読むと、幻想文学と認識される小説のだいたいのパターンはでつくしている。恐怖と驚異を極として成立するのが幻想文学と書いたのは東雅夫さんだ。
ただシュオブは「幻想文学」の終点であって、「文学」の終点ではない。
幻想文学は昔佐藤弓生さんがどこかで書いていたように、広そうで狭い、そして深い世界であり、かつジャンル小説のようでジャンルとしてまとめられない。
だけど、盛林堂からでたシュオブ「吸血鬼」を読むと確かに幻想文学というジャンルはあると体感できるから不思議だ。
シュオブが「モネルの書」で書いているように、瞬間を描き流転する世界そのものを描こうとする心構えの有り無しが私の幻想文学としての基準となる
2013年12月02日
淡島寒月
味わい深いエッセイをいくつか残している。
西鶴再評価の立役者の一人だ
西鶴再評価の立役者の一人だ
2013年11月28日
郡司正勝句集
なんとなく読み終わる。
ざっくりと読んだだけだが、耕衣の句ににた味わいがある。
門外漢のためこれくらいできりあげる
ざっくりと読んだだけだが、耕衣の句ににた味わいがある。
門外漢のためこれくらいできりあげる
幸田露伴
柳田泉が書いた伝記。
読みやすく面白い。
情報量がはんぱなくあるため、読み進まず大苦戦した。
ただ露伴の著作の粗筋を読むと読みたいと思う小説がわずかしかない
読みやすく面白い。
情報量がはんぱなくあるため、読み進まず大苦戦した。
ただ露伴の著作の粗筋を読むと読みたいと思う小説がわずかしかない
2013年11月24日
シュオブ「吸血鬼」
変幻自在である。
あっというまにすりぬける、忍者みたいな作家だ。
つまり補足不能、定義不能である
その意味では成長直線形の作家ではない
突然変異かつ瞬間的な爆発力をもつ作家だ
「吸血鬼」のなかに収録された短編には、幻想文学のとりえるエッセンスがこれでもかとぶちこまれている。
爆発力と多様性がシュオブの特徴だ。
シュオブのありかたは、モネルの書に典型かもしれないが私は「大地炎上」をとりたい。
あらゆるものが溶解していくなか、女性美が唯一の救いを示す。この点において、シュオブはラファエロ前派につながっていく
あっというまにすりぬける、忍者みたいな作家だ。
つまり補足不能、定義不能である
その意味では成長直線形の作家ではない
突然変異かつ瞬間的な爆発力をもつ作家だ
「吸血鬼」のなかに収録された短編には、幻想文学のとりえるエッセンスがこれでもかとぶちこまれている。
爆発力と多様性がシュオブの特徴だ。
シュオブのありかたは、モネルの書に典型かもしれないが私は「大地炎上」をとりたい。
あらゆるものが溶解していくなか、女性美が唯一の救いを示す。この点において、シュオブはラファエロ前派につながっていく
峯岸さんの同人誌
超短編500文字の心臓の峯岸さんから依頼があり、峯岸さん監修の同人誌に水谷準論を書きました。
作品を素材にいいたいことを書いたものです。
西荻盛林堂でも販売されています
発想の幾何学が素晴らしいです
作品を素材にいいたいことを書いたものです。
西荻盛林堂でも販売されています
発想の幾何学が素晴らしいです
ナイトスケッチ、ミドルトン作品集
横田順彌さんの短編集「ナイトスケッチ」に短いエッセイを書きました。去年、日本古典SF研究会に入会が認められ、企画者から要請あり執筆しました。
SFプロパーではない人間がお祝い本に文章を書いていますが読みだけで書くとこうなるというものになっています。
南条さんのご好意で出すことができた、ミドルトン作品集ですが私は作品本体の打ち込みを担当しています。ミドルトンは初めて読みましたが、みずみずしさと哀しみが混じりあった幻想短編に惹かれました。打ち込みは楽しかったです。
SFプロパーではない人間がお祝い本に文章を書いていますが読みだけで書くとこうなるというものになっています。
南条さんのご好意で出すことができた、ミドルトン作品集ですが私は作品本体の打ち込みを担当しています。ミドルトンは初めて読みましたが、みずみずしさと哀しみが混じりあった幻想短編に惹かれました。打ち込みは楽しかったです。
シュオブ
2月の幻想文学講座に向けておさらい中。
モネルの書を六年ぶりに読んだ。圧倒されて終わる。モネルという女性がさまざな形で読み手にたちはだかり、ささやかな小さなランプに似たおはなしを手渡す、そんな印象が残る。
矢野目源一訳「吸血鬼」も読みなおしている。たしかにシュオブは幻想文学の終点だと思う。あらゆるお話のパターンを書いてしまっているから。
シュオブの作品世界は極端に感情が飛躍する
美と醜、俗と聖
しかもないまぜになり絶えず変化しつづける
瞬間の小説を描いた作家だ
しかし難物である
モネルの書を六年ぶりに読んだ。圧倒されて終わる。モネルという女性がさまざな形で読み手にたちはだかり、ささやかな小さなランプに似たおはなしを手渡す、そんな印象が残る。
矢野目源一訳「吸血鬼」も読みなおしている。たしかにシュオブは幻想文学の終点だと思う。あらゆるお話のパターンを書いてしまっているから。
シュオブの作品世界は極端に感情が飛躍する
美と醜、俗と聖
しかもないまぜになり絶えず変化しつづける
瞬間の小説を描いた作家だ
しかし難物である
くるぐる使い
筋肉少女帯の元ボーカルが書いた小説。
ストーリーどうのよりアイデア勝負の短編。見世物やらの小道具のアレンジがうまい。
しかし一人称回想体は便利だ。なんでもありだし。高野聖や河童もそうだけど。
あと語り手の頭よすぎ。全部説明するし
しかも合理性の橋渡しが陳腐かつありきたりでしかない。弱い。
みせかけだけのえげつなさが本当に情けない。
戦前に舞台が設定されているのに語彙が戦後だし。書き方もあまいしぬるい。
どうも形式だけうまく借りた感じがする。ふりきれてないなあ。
ストーリーどうのよりアイデア勝負の短編。見世物やらの小道具のアレンジがうまい。
しかし一人称回想体は便利だ。なんでもありだし。高野聖や河童もそうだけど。
あと語り手の頭よすぎ。全部説明するし
しかも合理性の橋渡しが陳腐かつありきたりでしかない。弱い。
みせかけだけのえげつなさが本当に情けない。
戦前に舞台が設定されているのに語彙が戦後だし。書き方もあまいしぬるい。
どうも形式だけうまく借りた感じがする。ふりきれてないなあ。
2013年11月01日
怪樹の腕
酷い小説ばっかり集めたものだと。誉め言葉ですが
型破りというか、とにかくこわれた怪奇小説がならんでいる
パルプ雑誌とは多分こういうとんだいかがわしさが本領だろう
解説が圧巻
型破りというか、とにかくこわれた怪奇小説がならんでいる
パルプ雑誌とは多分こういうとんだいかがわしさが本領だろう
解説が圧巻
立原道造詩集
リルケ「マルテの手記」から立原道造詩集に。抒情の捉え方と処理が独特。
軽井沢の雰囲気を頭にいれて読むと風景の立ち上がり方がかなり変わる。
地域の風景をうまくいかしてもいる。
軽井沢の雰囲気を頭にいれて読むと風景の立ち上がり方がかなり変わる。
地域の風景をうまくいかしてもいる。
冬虫夏草
梨木香歩さんの新作。家守奇譚の続編だがつくりはだいぶ違う。
別物だ。
印象は泉鏡花の山を舞台にした小説のような。
ただし綿貫の探索というラインがきちんとある。勘だか梨木さんかなり江戸時代の旅行記や随筆を読んだ書き方をしている。
家守奇譚のような私小説的な視野に不思議な味付けがしてあるものを期待すると裏切られる。
別物だ。
印象は泉鏡花の山を舞台にした小説のような。
ただし綿貫の探索というラインがきちんとある。勘だか梨木さんかなり江戸時代の旅行記や随筆を読んだ書き方をしている。
家守奇譚のような私小説的な視野に不思議な味付けがしてあるものを期待すると裏切られる。
2013年10月04日
第73回西荻ブックマーク 井村君江の妖精の森
担当のそえさんの尽力により、あの妖精女王こと井村君江先生が西荻ブックマークで妖精と植物のかかわりを中心にお話くださいます。
10月13日です。
ふりかえると去年の12月に宇都宮まで井村先生に会いに未谷おとさんやkaoさんと出掛けたわけですが。早いものです。
で、私は井村先生の要請により芥川と片山についての原稿執筆におわれています。
なお、詳細はこちら
http://nishiogi-bookmark.org/
10月13日です。
ふりかえると去年の12月に宇都宮まで井村先生に会いに未谷おとさんやkaoさんと出掛けたわけですが。早いものです。
で、私は井村先生の要請により芥川と片山についての原稿執筆におわれています。
なお、詳細はこちら
http://nishiogi-bookmark.org/
2013年09月25日
いやはや
来年二月と六月にイベントが。しかも出演側になるのがみえている。
お行儀のよい小説は私には縁がない。型破りなぶっとんだものを!
お行儀のよい小説は私には縁がない。型破りなぶっとんだものを!
2013年09月21日
第73回西荻ブックマーク 井村君江先生講演会
10月13日、西荻ブックマークで井村君江先生が講演会を行います。
17時から19時。こけし屋別館。
テーマは、妖精について。詳細は当日のお楽しみ
予約は以下から
http://nishiogi-bookmark.org/
17時から19時。こけし屋別館。
テーマは、妖精について。詳細は当日のお楽しみ
予約は以下から
http://nishiogi-bookmark.org/
2013年09月03日
江戸名所図絵
小説読む気力がない。
ちくま文庫の江戸名所図絵を揃いで購入した。
拾い読みしているだけで発見がある、たしかに。
井の頭池は昔はもっと広かったみたいだし。
ちくま文庫の江戸名所図絵を揃いで購入した。
拾い読みしているだけで発見がある、たしかに。
井の頭池は昔はもっと広かったみたいだし。
2013年07月16日
ウィリアムモリスのために
モリス研究をやることにした。
やらないといけないのは、
アーサー王伝説
北欧神話
社会主義
ラスキンとの関わり
ラファエロ前派
こんなにできるわけないが、項目として存在する。モリス研究は苦難だろうな。
やらないといけないのは、
アーサー王伝説
北欧神話
社会主義
ラスキンとの関わり
ラファエロ前派
こんなにできるわけないが、項目として存在する。モリス研究は苦難だろうな。

