一言でいえば、労作、である。
近代以降の絶滅動物に強い興味をもつ著者は、江戸時代に長崎にドードー鳥がきていたという事実を足掛かりに、世界中をめぐり、ドードー鳥の痕跡をたどる。
タイトルにも、堂々めぐりとあるように、現時点の最新のドードー鳥についての案内書であり、この書籍によって、ドードー鳥の研究に終止符がうたれたわけではない。
ドードー鳥研究は、現在進行形の営みなのだ。
蜂須賀正氏や「不思議の国のアリス」にも触れながら、堂々めぐりをおこなう、著者の筆致はかろやかである。
著者が最後に記したように、読者ひとりひとりが、堂々めぐりに参加したくなる、そんな熱気にあふれているのが、本書である。